燈籠塔から学んだ事 | みかわワンダーランド
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まなぶ

燈籠塔から学んだ事

2015.12.18

豊川稲荷 燈籠塔の龍の彫刻

先日、取材で豊川稲荷を訪れた。本殿に向けて歩を進め、目の前まで来た時、この燈籠塔の龍の彫刻に心を奪われた。迫力と気品が同居する何とも言えない佇まい、私は歩を止め暫くこの彫刻を見つめた。

豊川稲荷 燈籠塔の波の彫刻

下方にある波の彫刻も躍動感があって素晴らしい。境内のマップに載っていないこの燈籠塔に出会えたことに私は嬉しい気持ちになった。いつの時代の誰の作品なのか知りたいと思った。

豊川稲荷 燈籠塔 大黒葡萄酒株式會社

自宅に戻った私はインターネットで色々と調べてみたが、この燈籠塔に関する情報は何一つ出てこない。解ったことは、この燈籠塔を寄進した企業についてだけだった。この燈籠塔に名が記されている宮崎光太郎は、日本初のワイン醸造会社である大日本山梨葡萄酒会社の発起人の一人で、あの「メルシャン」ブランドで洋酒の醸造・販売を行うメルシャン株式会社の基礎を築いた人物である。大日本山梨葡萄酒会社は明治19年(1886)に販売不振等が原因で解散することになるが、宮崎光太郎は独立し、甲斐産商店を設立して醸造を続けた。昭和9年(1934)に事業拡大の為、甲斐産商店からに改組されたのが、この燈籠塔を寄進した大黒葡萄酒株式會社なのである。 その後、大黒葡萄酒株式會社はオーシャン株式会社と改称し、三楽酒造株式会社に合併、現在(2014年)はメルシャン株式会社となった。宮崎光太郎(1863年~1947年)は亡くなって、大黒葡萄酒株式會社の名は現在は存在しない。しかし、その功績はこの燈籠塔と共に生き続けている。宮崎光太郎の自宅、ブドウ園、ワイナリの跡地(山梨県甲州市)に宮光園という施設があるらしい、こちらの方にも機会があれば是非訪れてみたい。興味、関心を持つことは、新たな知識を得るキッカケになる。モノの見方に対する視野を広げようと思った。もっと沢山感じたい…

この記事を書いた人

写真家

岡田 充弘

写真家、一枚の写真から時間と距離、その先にあるナニカを連想させる表現を目指し、風景を中心に様々な瞬間を切り取る。みかわワンダーランドの編集にも携わっている。

http://mikapon.net/gallery/