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まなぶ

郵便差出箱2号

2016.03.13

先日、西尾市在住の画家、斎藤吾朗先生から「西尾の伊藤に面白いポストがある」と教えて頂き、私はその所在地を訪れてみた。 民家の郵便受け風のこのポストは「郵便差出箱2号」といい、昭和25年から使用されている。山間部で見かけることが多いが、この写真のように稀に町中に設置されている場合もあるという。

西尾市伊藤の郵便差出箱2号

この希少なポストが身近な所で使用されていることだけでも充分に面白いのだが、更に興味深かったのは、本来掛け型であるこのポストが、台座の上に溶接されて乗っかかっている点だ。 私はこのポストが設置されているお店に入り、その理由を訪ねようと思ったのだが、先に予定が入っていたこともあり、その機会を次回へと先延ばしにした。 そして一週間後、先延ばしにしていた興味心を満たす為、私は再度この場所を訪れた。
しかし、そこに立っていたあのポストはなく、変わりによく見慣れたピカピカの「郵便差出箱14号」が立っていた。

郵便差出箱14号

店内へと足を運び、お店の人に事情を聞いた。
掛け型の「郵便差出箱2号」が立っていたのは掛ける場所がなかったからで、ポストが新しくなったのは、以前のポストの容量(130通)の少ないことが理由らしい。何とも素朴かつまっとうな理由だと思った。
「郵便差出箱2号」は私が店内を訪れる一日前に捨ててしまったらしい。ポストには多少の骨董価値もあったのだが、捨ててしまった相手にその事を伝えるのは野暮だと思い、私は「さみしくなりますね」と一言発して間もなくその場を立ち去った。
機会は一瞬、逃してはいけない。

Camera:Leica M9-P
lens:Summilux 50mm F1.4 Nr.1928141
© Atsuhiro Okada

この記事を書いた人

写真家

岡田 充弘

写真家、一枚の写真から時間と距離、その先にあるナニカを連想させる表現を目指し、風景を中心に様々な瞬間を切り取る。みかわワンダーランドの編集にも携わっている。

http://mikapon.net/gallery/